練習報告

1/13 宇都宮逃避行

それは埼玉の田舎道。
普段はトラックたくさん駆け抜けるであろう何もない一本道を、9人の若者が自転車に跨りひた走っていた。
そのうちの一人の私は、後ろから二人目。
一年越しの宇都宮、そしてたくさんの仲間達と共に走るこの逃避行に胸を踊らせていた。
信号地獄の東京はすでに抜け、ただただまっすぐ伸びる一本道を快調に進んでいた。
先頭が変わった。スピードが上がった。
わたしには速過ぎて車間を詰め過ぎた。捉えているのは前を走る自転車のみ。
突然前輪に強い衝撃を受けた。そして、次の瞬間には、いつぞやの逸見のようにいつのまにかエアロポジションを取っていた。
“これ、三浦半島で見たやつだ!”
小中高時代にポストに送りつけられていた漫画において散見される台詞が頭をよぎったが、自分の数学力同様バイクコントロールに応用力はなかったようで、ゆっくりと倒れていった。
ガシャーン。
体は路肩のガードレールの脚の間にちょうどよく転がり、うつ伏せに停止した。

とりあえず立ち上がり、まず自分を転がした原因を探りにいった。何故か巨大なゴムの車止めが地面に寝そべっていた。足蹴にして路肩に寄せたが、自分の寝床から動きたくないようで、脚先に感じるその重さからは、彼の不服が伺えた。

自転車はパッと見壊れていないようだった。よく見たらボトルが一本何処かへ転がって無くなっていた。とくに意に介さず自転車を担ぎ、ガードレールを超えて歩道へ入った。

ガードレールの下には、クリームパンが転がっていた。新橋のセブンで百円で仲間に迎え入れた彼は、この事故でポケットから放り出されたようだった。私は彼を一瞥した。しかしなんともなしに、私はそれを置き去りにした。

自分の体、自転車をよく確認した。パンクはないようだが、前輪は一目でわかるくらいには振れていて、チェーンは外れていた。仲間が戻ってきて、後輩がチェーンを直してくれた。心配させ、足止めさせてしまい、非常に申し訳なかった。みなさんご迷惑をおかけしました。ありがとうございました。

それからは、何事もなく、餃子を食べて、自転車を進めた。自転車の楽しさ、自転車部の楽しさについて、再確認した逃避行であった。

これから練習を続けていく人々は、もっと障害物に注意を払うこと、その注意を共有することの重要さを、私を反面教師にして心に留めておいて頂けると幸いだ。

〜完〜

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