桜舞いChill

ヒュルリーラ、ヒュルリーラ、

端de夢…
墓っ地もがき。

p.s.

目黒通りを左に折れる。満開のソメイヨシノが嫌いだ。あの皆で一斉に狂い咲く感じが好きになれないし、それに群がる沢山の人も嫌いだ。目黒川を歩くと人間の業の深さみたいなものに押し潰されそうになる。河岸をコンクリートで固めて、その上にクローンの桜を並べて。人間、蔓延ってるな。

中目黒を越え、闊歩するカップルや”女子”の集いを掻き分けて行くとスターバックスが姿を現した。正面がガラス張りになっているおかげで、桜に群がっていた人々が次から次へと店内に吸い込まれて行くのがよく見える。少し吐き気を覚えた。が、何とか堪えた。いや、いっそ吐いてしまえばこのモヤモヤも晴れたかも知れない。どうせ彼らには水面に浮かぶ花びらと吐瀉物の区別だってつかない。一人の男が嘔吐しようとしまいと、彼らにとってそこは”映える”スポットに相違ないのだ。

いや、待てよ。よくよく考えてみると、ソメイヨシノは全てクローンで交配を必要としない。すなわち、彼らに花を咲かす道理などない。しかし彼らは毎年桃色の花びらを風に舞わせ、人々を楽しませている。ものすごいエンターテイナーじゃないか。彼らの年に一度の本公演にいちいちケチをつけていたと思うと、とても申し訳ない気持ちになってきた。なんかごめん、ソメイヨシノ。目黒の桜も悪くないな。

気付けば下北沢が近づいてきた。もう少し、歩くことにしよう。

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