ケイリン振り返り

当日はあっさりとした内容を書いたが、分析をしてた結果ちゃんと言語化して残しておくべきと感じたのでツラツラと記していく。まだまだ不慣れな多賀谷や智也、顔も知らない後輩のために捧げる。

○メンバーを知った段階での想定

○抽選を受けた想定

○走行中感じたこと

○振り返ってみて

の4つから見ていく。メインのレースレポートは3つ目から。

○メンバーを知った段階での想定

慶應(杉岡、多賀谷、智也)と早稲田(諸隈、佐藤、細田)のメンツは早慶戦運営に携わっていたため1週間前程から実は知っていた。俗に言う特権乱用ってやつだ。しかしこの情報社会を生き抜くためには如何に情報を早く多く仕入れ、取捨選択するかが必要なのである。

メンツを見た瞬間思ったのは早稲田には先行選手しかいない、そして慶應には先行選手がいない(強いて言っても僕しかいない)ということ。

諸隈は1kmで結果を残している選手であり、トップスピードも高い選手。ケイリンはあまり走っていない選手のため情報は少なかったが、ガツンとカマされると縦1列のまま試合が終わりかねない。

佐藤はガツンとカマすことはあまり多くないが、前々で展開してインで粘って相手を外回らせる、という走り方が多い。前張られると、ペースは問題が無かったとしても仕掛けどころを潰されて前出れないことが予想された。そもそもMAXスピードが自分では歯が立たないレベルなので、合わせて踏まれるだけで自分が飛ぶ。

細田はケイリンの情報ゼロだが、マディソンで表彰台に立つレベルの選手なので当然無視できない。むしろ諸隈同様ガツンとロングスプリントをされるとこっちがしんどい時でも向こうはあーキツいぐらいなノリだと思う。

以上の情報より、早稲田を前に出させることは自分らの負けに直結することだと思っていた。それを踏まえた上で想定する展開は以下2つ。

・自分がインで粘って早稲田を出させない

・早稲田のロングスプリントを誘発し、最後芋る

1つ目の方が最初に思い浮かんだ策だったしむしろこれしかないと思っていた。上記の通り先行させると厄介なメンバーしか出ていなかったので自分からかけちゃうパターン。前を引いたら佐藤の得意パターンを自分がやる、後ろを引いたら1.5辺りで前に上がって同じことをするか残り1周でガツンとかけるか。いずれにせよ自分から主導権を取るパターン。

これをやる上での懸念点は合わせようと前張りしてる時にガツンと来られるパターン。合わせきれないということ。トップスピードは向こうが上なので往々にして有り得る話だった(今回はこのパターンで負けることになってしまうのだが)。そう考えた時に次の考えが浮かんだ。

早稲田のロングスプリントを誘発、2つ目のこの考えだ。あれだけ分析した上でそれはないだろって気もしたが、抑えきれないのならむしろ利用するパターン。1.5くらいで前出させればさすがに失速するのでそこをギリギリまで利用して最後もがくパターン。6番引く状況とかになったらむしろこっちの方が勝機あるかなって思った。(僕的には今回多賀谷はこのパターンで行って欲しかった。出走前に話ができてなかったのが悔しい)

これらのパターンを想定した上で当日を迎えた。中段で流れに任せることだけは考えていなかった。そういう時は大体上手くいってないし捲れもしないので。

○抽選を受けた想定

1杉岡 2細田 3諸隈 4佐藤 5多賀谷 6智也

の並びになった。この並びの時点で作戦は決まった。「自分がインで粘って早稲田を出させない」の方である。1を引いたら上がって後ろ行くなんて作戦が稀にあるが、あれは得策ではない。戻る場所が無くて6番手まで下がるしかないから。そこまで下がると残り1~1.5で勝負が加速するって言うのにそこでみすみす速度を緩めることは前には上がりませんと同義である。1を引いた時点で前張り以外の作戦は無かった。

智也には伝えたが、この並びなら自分は前張りをすることになるが、恐らく自分は良くて共倒れまでしか持っていけないと思い、仕掛けた早稲田に乗じて最後捲れという作戦。想定した作戦の2つ目である。5.6で慶應の並びだったため前の早稲田を追っていれば良い状況だった。多賀谷にはちゃんと伝えなくてはならなかった。しかし出走前に話す時間が無かった。

まとめると僕が前張りで粘って早稲田を1人2人潰す、残り半周くらいでそれを乗り越える早稲田のやつが出てくる、後ろ2人はそれに乗っかっててくれる、最後芋る。が想定したレース内容だった。捲れなくても2.3取って自分が頑張れば点数的にはマシと思っていた。

○走行中感じたこと

いざ出走。最初1.5周は姿勢を低くして空気抵抗を完全に受けない&後ろに受けさせるように。そしてペーサー離脱前半周は後ろの様子を見つつペースダウン。前で踏まないようにするためと、後ろを団子にする目的で。1を引いた時は毎回こうしている。団子にすることで仕掛けられる選手が減るため前出られなくて済む。しかしここで1つ目の想定外が起こる。多賀谷が上がってきた。こうなると早稲田の仕掛けに乗じる選手がおらず、自分と役割も被る。後から知ったが佐藤が練輪だったため恐らくそこに付いているのはマズいと判断したのだろう。この段階で僕の想定が全く伝わっていなかったことを後悔した。

残り1.5周になり、後ろから諸隈が上がってきた。ここは正直想定通り過ぎてあざすって感じだった。ガツンとも来なかったのでインで合わせてアウトを走らせた。この動きを多賀谷もしていたので慶應としては渋かった。僕は前貼りすると決めていたので突っ張ったが、柔軟に考えていれば僕が下がることもできたかもしれない。結果的には僕がイン、諸隈がアウト、多賀谷が僕の後ろくらいな位置関係となった。そしてここで想定外2つ目、最大の勝負の分け目が来る。細田が下がっていた。

ペーサー離脱前からペースを下げたことには団子にする以外にも理由があり、細田を潰すためだった。直前に話をしてたら60-13を掛けると聞いたので速度乗せられたら終わると思っていた。幸運なことに細田は2番手だったため僕のペースダウンの影響をモロに受ける選手である。そこからダッシュの展開にすれば伸び切らずに試合を終わらせられると思っていた。団子の内側になるはずだったので。しかし下がられてしまったため余裕を生ませてしまった。

残り1周。諸隈が再び前に上がろうとするが、ここもあんまりガツンと来なかったので踏みつつ後ろが見れるくらいな感じだった。このまま内で貼り続ければ!と思っていた矢先、とんでもない勢いで早稲田が後ろからカッ飛んでった。1列棒状ならもう少し早く反応できただろうが、団子状態が仇となった。これでも早く反応した方だったが、合わせるために座っていた僕と最後尾から上がるためにストレートでずっとダンシングしていた細田ではノリが段違いだった。(ちなみに諸隈の後ろにチラッと見えた佐藤が掛けてきたのかと思ってリザルト見るまでずっと佐藤が飛んでったのかと思っていた)。

そこからは前張りが裏目に出て、追走に利用されることとなってしまった。その後は特筆することも無くズルズルと引き離されてしまいゴールラインまで何とかもがいたが5着という何も喜べない順位となった。

○振り返ってみて

まずはこの作戦が良かったかだが、これは良かった。まあ1引いた時点でこれ以外ないのでしゃーなし。実際走り終わったあと諸隈と話していたらすごくやりづらかったと言っていた。実際戦術として知ってはいたものの自分でやるのは初めてだった(今までは合わせるとかじゃなくて、後ろが踏むのを見た瞬間自分も全力踏み、しかしたことない)のでまあまあ対応した方だと思う。

しかし想定はまだ甘く、細田に対応出来なかったと言っているが、あの展開に持ち込んだならそりゃ誰かしらはやることだった。実際今年の新人戦の決勝と今回の試合展開はほぼ同じであり、日大がカッ飛んでった。そこの追走をするのは他でもない先頭なのである。外のやつさえ合わせれば抑えきれると思っていたのが大間違いだった。この戦術をやるにはまだまだ脚が足りないなと感じた。ハロン10秒台も大事だが、平坦ダッシュ返し10秒台も狙えないとなって感じた。もうちょい速めに計測線に入ってケイリンを意識した練習もやっていく必要がある。

これまでの内容を踏まえた上で試合を見てくれると、大分印象が違うと思う。ここまで1時間以上かけて言い訳を書いているが、本当に不甲斐ない気持ちでいっぱい。インカレのケイリン出走は考えていないが、出走する選手はこのくらい、いやこれ以上の準備や想定をした上で臨むと展開力が付くと思う。

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