学生競技者として成長するために必要な素養について(引退ブログ番外編)

11月になりました。引退ブログの執筆のプレッシャーを各方面から徐々に受け始めてる秋田です。

書くか書かないかは個人の自由とさせてください。僕の人生は機密事項が多いので引退ブログはあまり好かないです。

そもそも引退ブログの半分は後輩への価値観の提示みたいな部分で役立ちそうですが、半分は自己満で終わりそうだと思ってしまいました。

この時期になって早慶戦が近づくと、後継者指導でもっと出来たことがあったな〜、と思ってしまいます。

せっかく書くなら有益な事を書いて免罪符にしたいなーって思って、後輩育成が僕に課された使命ということで、番外編として小学生から長いこと学生競技者として競技活動してきて僕が感じた、学生競技者として上にのし上がって行く選手に共通する素養を完全主観で書き残したいと思います。主観で書いてるので、全部が全部正しいと思ってないです。だから、それは違くね?みたいなツッコミはお控えください笑。話半分で聞いててください。

〜消えた天才編〜

まず伸びる選手の素養について述べる前に、その逆のいつの間にか消えてしまうタイプの選手について。もちろん、単にやる気がなくて消える選手もいるけど、競技成績も出ててブイブイの選手に限ってポッと消えてしまったりする。そのような選手に共通しそうな特徴を思いつく限り書き記します。

消えた天才、は題名をユニークにしたいだけで、別に天才だけの話をしてるわけではないです。①に関しては天才がターゲットだけど。

①典型的な天才型

テレビ番組の消えた天才、でもよく見かける1番典型的なタイプ。才能がありすぎて競技を始めて間もないのに一気に強くなる。テクニックが追いつくまでに時間はかかるけど、レースをこなして走り方を覚える。そうして一気に表彰台常連選手になる。トラック競技なんかだと、テクニックってよりフィジカルゲーな種目も多いし競技人口もロードに比べて少ないから、このタイプが結構居るかも。

自分はこのタイプの選手じゃないから本心は分からんけど、たぶんこのタイプの選手って一気に強くなって一気に競技にハマる分、冷めるのも一瞬なんだと思う。なにか壁にぶち当たると面白く無くなって、それまで強くなり続ける事で保っていたモチベーションを維持できなくなってしまうんだと思う。

それまでの苦労も少ないから積み上げたものへの執着も少なくて、だからこそスパッと辞めたりモチベーションがガクンと落ちるタイミングが来るのかもしれない。

そこまでの苦労が大きいほど、執着も強くなって辞めるのがもったいなく感じるものだと思う。だから強くなるまで苦労する選手は簡単に消えにくい。

燃え尽き症候群とかはちょっと例外だけど。

②ケガが多い

これは伸びる選手に必要な素養の反対の事象。そして自転車に限らない全てのスポーツに共通するモノだと思う。

アスリートにケガはつきものだし、0にするのは不可能だと思う。

でも特に辞めてしまう選手はケガが他の選手と比較して多いと思う。もちろん生まれ持った身体の強さとかの部分もあるけどそれ以外に考えられる改善可能な原因を考えると

・基礎練や身体作り、練習以外のケアを疎かにする→練習に耐えられない身体になって故障

・やる気だけが先行→自分のレベルやキャパシティに見合わないオーバートレーニングをして故障したり、自分の技量を超えた動きをレースなどでしたりして落車して大怪我

・オフがオフになってない→本人はオンとオフを切り替えてるつもりで、オフ日は毎回思いっ切り遊ぶ=オフが休息になってないタイプ。しわ寄せがいつかは身体に来る。

要は自己分析や競技への執着心が足りないタイプなのかもしれない。ちなみに①で述べた天才タイプは基礎練や身体のケアを疎かにしがちな気がする。

③早伸び

中学高校ほど顕著ではないけど、大学生においても早伸びの選手はフィジカルレベルが頭打ちになるのが早くて、伸び悩んで消えてしまう傾向がある気がする。

これは遺伝などによるものが大きいので、もう個人のメンタルの持ちようでしか解決はできない。

④ハマる時はハマるけど、飽きも早い

①で述べた内容と少し被る。

自転車競技は地味で辛い練習を長時間しなきゃいけないので、飽きが早いタイプの人間はキツくなると思う。

おそらくその手のタイプの人間は、数値上などで強くなり続けること、レースで勝ったり上位に入ったりすること、でモチベーションを保っているので、これらが満たされない試練が訪れた時に耐えきれなくなって逃げ出すのだと思う。

⑤目先の成果に囚われてしまうこと

これも上記の内容たちと被る部分が多い。

才能がない選手は成果が出るまでに時間がかかる。自転車競技は上に行きやすいというのは才能ある選手の話で、才能に溢れるタイプじゃない場合は上に行くまでにそこそこな時間がかかる。

長期的な利益を見据えて今を我慢する能力がない選手は自転車競技は愚か、その他のスポーツ、さらには勉学etcでも成果出せないと思う。

まあ慶應生に関してはこの点が心配な子は少ないけど、自転車競技は勉強ほど努力量と成果が比例しないので、そういった意味では自分を律して長期的な視野を持つ能力が勉学以上に求められるだろうことだけは注記しておく。

では学生(特に大学生)競技者として大きく成長する選手が持つ素養とは何なのか?

いよいよ本題です。これを読んでるのは基本的には大学から競技を始めた部員が多いと思うので、特に大学生で強くなる選手の素養っていうのを僕なりの見解で述べたいと思います。

もちろん高校までパッとした戦績はなかったけど大学でいきなりトップ層の選手になる、ドシロートで競技を始めて大成する、などといったパターンに共通するものを並べます。

①自転車が大好き、割けるリソースをなるだけ多く自転車に割ける選手

まあ、みんな自分ができる限りリソースを割いてるつもりだろうけど、そのリソースを割く次元の問題。強くなればなるほど、このレベル感がカンストしてるイメージがある。(みんな大好き新城選手と留目選手が今年のジャパンカップでのインタビューでとても有益なことをおっしゃっていたけど、リンク貼り付けられなかった。Cycle Sportsの記事であるので探してみてください。)

まあ大谷翔平をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれない。

どの部分の次元の話かというと、普段の練習と、それ以外の部分。

普段の練習については、自転車が好きな選手ってのは練習を練習と思ってないです。たぶん日常生活の一部くらいに思えてしまっているのだと思う。だから日々の練習を非常に高いクオリティで継続的にこなすし、全く苦じゃないは言い過ぎだけど、やって当たり前だからやらない理由を探さないよねって思う。

少し話が脱線するけど、僕は(自称)茨城ではトップの進学校出身で毎年東大なり医学部なりが現役だけでウン十人単位で排出されるのだが、彼らの共通点はお勉強が大好きだったということ。例えば、バスや電車の待ち時間、教室までの移動、休み時間、使える時間は単語帳などを持ち歩いて勉強にフルベットしていた(歩き単語帳は二宮金次郎なのでちょっと感心されないが)。もちろん、彼らが誰とも関わらない寂しい人間というわけではなく、人と関わる時間も持った上での話であり、勉強が大好きではない僕にとっては理解が追いつかない至高の領域だった。

自転車の練習についても同じことが言えるだろう、好きこそものの上手なれという諺があるように、やはり自転車が好きであることに越したことはないと思う。

後は、それ以外の部分。残念ながら、このそれ以外の部分での取り組みがウチの部員、ひいては学連全体では意識が薄いために、せっかくダイヤモンドの原石のようなポテンシャルがあるにも関わらずに伸び悩む選手が多いように感じる。逆にいうと、この部分を意識するだけでも今の学連界では圧倒的な差をつけることができる可能性を秘めている。

それ以外の部分っていうのは私生活での部分。食事、休息、お金の使い方、など。大学生活は誘惑が多いから大変。どことは言わないけど某強豪校たちの選手は、半分くらいが田舎の強豪校から都内の大学に進学してきたせいで都会生活が楽しくって、遊びすぎてダメになってる事例をたくさん見てきた。

食事については、まあ監督から口酸っぱく言われてると思うので深くは言及しないが、普段の意識だよねって話。トップ選手の中で普段の生活からジャンクフード三昧、飲み会三昧です、みたいな選手がどれだけいますかって話だと思う。稀にそれでも強い選手がいるのだけど、そいういう選手はその生活をやめたらもっと強くなるだけだと思う。

まあ食事はそこそこ意識してる子がウチの部員では多そうだけど、残りの2つだよね、とは思う。休息とお金の使い方。

休息っていうのはオフ日の使い方。毎年合宿の時期になると感じること。オフ日っていうのは身体を休めるためにあるもので、遊びに行っても良いけどそれがリカバリーする上で有害になる場合は「選手」として適切なオフの使い方、休息の取り方ができていないということになる。毎年の合宿期間のオフ日の過ごし方は個性が出る。

ちなみに僕はオフ日の過ごし方が年々インドアになってる。練習量を増やし、練習を詰め込めば詰め込むほど、オフ日に遊んだ弊害を身体へのダメージとして感じるようになったからだ。

現にワールドツアー選手もオフ日はベッドの上でゴロゴロするだけ、みたいな選手も多いとの噂を聞く。そもそも彼らは普段の練習がハードすぎて、オフシーズン以外のオフをそのように使わないと身体が持たないのだと思う。

人付き合いの問題もあるから、絶対ダメとは全く言わないけど、頻度とかを考えようって話だと思う。合宿期間のオフで丸一日外出する体力があったら、合宿での練習をもっと頑張れよって話だと思う。

自転車競技ってのは、技術練習ってのがほぼなくて(やろとすればできるけど)、常に体力を使い続ける練習をこなす必要がある競技だから、他のどの競技よりもこの休息の部分で差がつくと思っている。

後はお金の使い方。お金の使い方は人の自由なので指導はしないけど、冷静になって考えてみてほしい事案。

例えば強豪校のエース格の選手たち。おそらく彼らは高校時代かそれより幼い時から競技を続けており、親に活動費を捻出してもらうのが当たり前の環境にいるだろう(僕も同じなんだけど💦)。機材も高級機材に乗っているし、なんならそういう選手は学連の活動と並行してプロチームに所属している場合も多く、機材は最高グレードのものが支給されている場合もある。バイトしてる選手もいるけど、バイトする必要がなく最高級の機材と練習環境で競技に打ち込めば良いだけ、みたいな選手がたくさんいるわけだ。

対してウチはそうでない部員が大多数だと思う。それは仕方がないことなんじゃないか、って思ってしまうだろう。事実、仕方のないことである。ただ、親にお金をせびれとかそういう話ではない。現状で使えるお金をどれだけ自分が強くなるために回せるかって話だと思う。

レースのスタートラインに並んで、そもそもの機材で相手に劣っている、つまりは実力で相手を上回る必要があるのに、相手は練習もトップレベルの水準でこなしているから足でも勝てない=圧倒的な敗北。という悲しい現実を突きつけられるわけだ。

別に勝てなくても良いなら、現状の生活を維持すれば良いだけだと思うが、そうじゃないならできる限りのことをするべきだと思う。

趣味に使うお金、遊びに使うお金、普段の生活で贅沢をするお金、それらをできる限り削って競技活動に必要な資金として運用するしかないだろう。

ちなみに自分の話になるが、僕は3年生に上がる段階で、競技活動に専念するためにバイトを辞めた。それまでは生活ができるレベルの仕送りはもらっていたけど、(僕基準で)贅沢ができるレベルではなかったので小遣い稼ぎ程度にバイトしていた。でも、肉体労働系のバイトではなかったとはいえ、時間的な制約であったり、練習と授業をこなした上でのバイトは体力をそれなりに消耗することもあって辞めた。

そのあたりから競技活動によりコミットした。食事面での意識の高まりと単純にお金の問題で鶏胸肉ばかりを食べる生活になってしまったけど、おかげでその年に東日本選手権で初のタイトルを獲得した。それだけじゃないだろうけど、やはりマージナルゲインは大きいと思った。

②フィジカルの才能があること

まあ半分は才能、半分は努力。

まああえて初心者を対象にした話をすると、やはり他競技での運動経験がある選手の方が伸びが早かったり到達点が高かったりする気がする。でも、他競技と違って、自転車競技はペダルを漕ぐという特殊な運動だから、とんでもなく体力があっても大成しない場合もあるのが面白い部分。小野田坂道タイプは実在すると思う。

少し興味深い話を聞いたので共有。競輪養成所などは他競技の選手を適性検査で取るなど、自転車以外のバックグラウンドを持つ選手の育成も行っている。確か技能試験の方で受けていた気がするが、太田海也選手はボート出身だし、新城幸也選手も高校まではハンドボール選手だった。こんな感じで他競技からの転向で大成するパターンもある。

だけど意外とダメなパターンもある。例外もあると思うが、ラグビー→自転車が意外と成功しないらしい。山中湖合宿でも見たと思うが、彼らはワットバイクをトレーニングで使うなどしており、実際にもがかせると3000wくらいいく選手も出るらしい。じゃあ自転車乗せたらハロン8秒台出るかっていうと全然ダメ、みたいなパターンがあるそう。瞬間的なパワーがあるからスタンとかは速いらしいのだけど、足の回転数が上がりきらなくてハロンとかはダメダメ、みたいなのがデフォルトらしい。そういう意味からするとサッカー→自転車は成功するパターンが多いと聞く。サッカーはプレー中にダッシュを繰り返すから瞬発力が高く、なおかつボールを蹴るという動作が自転車の引き足動作と通ずる部分があるからではないかと聞いた(諸説あり)。

話が逸れたが、ある程度の基礎ができていれば、ある程度のところまではいけるのだろう。その先にいけるかどうかは、自分の身体が自転車競技そのものや、自分が取り組んでいる種目に適性があるか次第な部分があると思うので、見極めたい。

ちなみにパシュート種目は背が高い方が有利と言われる中で、今年のインカレのIPを制した原田選手はウチの部員の大多数より小柄な選手。学生の競技レベルなら、それ以外の要素や日頃の練習で跳ね返せる可能性も十分あるので頑張ってほしい。自分のイメージだけど、小柄な選手で国内レースで速い選手は、もれなく身体が太いイメージがある。

③マルチタスクができること

自転車大好きだから自転車1本で頑張る選手が大成する、とちょっと矛盾するけど「学生競技者」としては必要。プロ選手たちは競技活動でお金をもらって飯を食っているのだから、「自転車」だけを頑張れば良い部分がある。しかしながら我々はそうはいかない。一応学生の本分は学業なのだから。

そういう意味で、自転車に自分の全てをフルベットしたい選手が、近年は休学という選択肢を取っている。ちなみに小泉体育賞は休学期間中に出場した大会には適応されないので注意されたい。そうでない選手は競技活動を頑張って単位取得or留年、となる。

この部活であれば理工学部生(医学生)、他大学であれば教職課程などに進む学生は特にこの能力が求められると感じる。

時間の使い方が上手いんだよね、本当にできる人って。こんな番外編ブログ書いてる時間ないから(自戒)。時間を見つけては何かをしてる。

大前さんは移動中の車で作業してる。ちなみに大前さんや西田さんは峠道でも車の中で平気でパソコン打って作業してるけど、三半規管がどうなってるのか気になりすぎる。この技は、三半規管の強さにも依存する問題ではあるけど、あくまで例えということで。

そういえば野球部にバケモノが現れたよね。プロ待ちゴールドマンサックスとかいうワードがトレンド入りしてた。ウチのOBにも似たような方がいらっしゃったような、、、。そういう話を聞くと、僕とかは自分もまだまだできることがあるなとモチベートされる。

ウチの某レジェンドOB・OGたちの事例を聞いて、自分は精神を保っていた。自分はまだまだだと。やればできるんだと思う。必要なのはバイタリティ??

④小さなことに気を配れる

回復のためにできるだけ余計に歩かないとか、そういう話。これまでの話を被るけど、時代はマージナルゲイン。こんなもので良っか!が命取りになる時代が来てる。競技中も、競技外でも、競技のために小さなことを積み重ねることができる選手は着実に強くなる気がする。

生活が神経質になるという弊害もでるんだけど。

⑤性格がギラついている

ギラついてるから速いってわけじゃないし、ギラついてないからダメってわけじゃないのでご安心を。でも特にスプリンター系の選手なんかこういうタイプ多いと思う。だって考えてみてください。気の弱い選手が、人に囲まれながら身体をぶつけて位置取りしてそこからブイブイ踏み込んでゴールラインを1番で割ってる姿を想像できますか?って話。僕が知ってるスプリントが強い選手の中で日常でもレース中でもギラついた姿をほぼ見ないのなんて西村さんくらい。

ギラついてる選手っていうのは、ただただギラついてる場合もあるけど、ハングリーさを持ち合わせてることも多くて、そういう選手はやる気や闘志に火がつくと強い。

そういう意味だと、2重人格ってのはここでは悪いことではないのかもしれない。ハンドル握ると性格変わる的な?普段は穏やかなんだけどレースになるとギュインギュインになるタイプは世渡り上手でありつつ競技成績も向上できるかもしれない。

タイム種目が得意であったり専門であったりする選手は、そういう意味からすると日常でもレース中でも穏やかな選手が多いのかもとは思う。

初心者から始めたのに、脚力だけじゃなくてテクニックも追いついてきて対人レースもこなすことができてる例、例えば現主将の長谷川くんはブイブイな性格していらっしゃいますよね???

ちなみに僕はハンドル握ると目がギラギラするタイプです。

終わりに

主観なので全部が正解じゃないし、思いつきで書いてるので網羅もできてないです。

初心者から始めて経験者を押し除けて上へ上がるのはとても大変だと思いますが、不可能ではないので頑張って欲しいです。

ちなみに、現在の高体連に関しては競技レベルが真っ二つに割れているようです。上位選手はナショナルチームやプロ育成チームなどの高水準のトレーニングをこなすことでU23やエリートでも戦えてしまう(U23以上が弱くなってるという見方もできる、特にロード)レベルにある一方で、それ以外の選手に関しては少子化による競技人口の減少などの影響から選手層が薄くなり、中間レベル層(僕達の時代でいう全国大会入賞or決勝に乗るレベル)のレベルがガタ落ちしてるとのことでした。学連もそのような現象が現れ始めてるように感じます。

理想をいえば綺麗なピラミッド構造ができるのが良いですが、それは車連などの仕事なのでここでは触れません。インカレで勝つ=この上位層に勝つ、ということなので、是非上澄みの層に行って欲しいです。

秋田圭佑

秋田圭佑

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