試合結果

9/3 インカレ
ロード DNF

6月中頃、就活を終えてから自転車に再び乗り始めた。ペダリングはまだ良かったが、踏めない、登れない、遅い自分に対して腹が立ち、自転車が嫌いになった。さっさと引退したいと思っていた。

それでも何か変わるかもしれないと、宮ヶ瀬や青根や都民の森にロングに通った。鎌倉に来てもらったりもした。久々に部活のみんなに会って、暑くて、汗をぼたぼた垂らしながら、殆どおんぶにだっこで一緒に走ってもらって、練習を終えてはだらだらした。

8月に入って、福島に来た。不思議と勝手に自転車が進んだ。関東にいた時はボコボコに千切られていた仲間たちについていけるようになり、時には車、機関車となってボコボコに出来ることもあった。標高が高いせいか、快適な気候のせいかわからないが、踏めば進む、走らせたいと思ったら走る、そして仲間とバチバチ追い込む、そんな感覚はとても久々で、自転車が再び楽しくなった。

長野に来た。最後の蓼科。
蛭川、逸見、熊谷、原、私のへっぽこsquadで走った。去年は個人ロードが終わってから体調不良と練習不足でとてつもなく弱く、嫌な思い出ばかりの蓼科だった。しかし、今夏は去年よりも強く、そして昨日より今日、明日より今日と強く踏めていることを感じた蓼科であった。

8月後半、インカレ合宿に突入した。
麻見を筆頭に同部屋の人達には大変感謝している。運転させたり、試走に付き添わせて集大成させたり、ジャグジー3セットしたり。沢山気を遣ってもらって、沢山お世話になって、沢山応援してもらって、ノーストレスで過ごすことが出来た。ありがとう。とても楽しかった。最高の合宿だった。

インカレが始まって、団抜の入賞を見たり、小野一の炎のポイントレースを見たりして、感情は色々あれど、モチベーションは高まるばかりだった。どれだけ通用するかはいざ知らず、根拠のないおこがましい自信が、早くレースを走りたいというウズウズ感を湧きたてていた。
自転車を始めて三年余り、武者震いにも似た感覚は始めてで、試合が楽しみでしょうがなかった。

当日もいつも通り勝手にバタバタしてはいたものの、変な焦燥感や不安はなかった。

殆ど先頭付近に並べて、ニュートラルでもずる賢く位置を上げて、先頭付近でリアルスタートを切れた。

一年ぶりのロードレース。集団の密集具合に緊張し、一つ一つのブレーキや斜行に慌てていた。いつペースアップがあるかわからないからと、神経質に平坦で位置を上げた。ペースアップがあれば、ヤバイヤバイと思いながら前の自転車を追いかけた。しかし、その緊張感が楽しかった。ヤバイヤバイと思ってついていくことが出来ているその瞬間が楽しかった。そして、畑、小野一、序盤は宮本など、慶應がなんとなくまとまって走れていることを感じている瞬間が楽しかった。

5周目、あまりに遅いペースに油断し、ペースアップにメンタルを整えきれておらず削られた。
6周目か7周目、20人程度が抜け出すことがあり、さっさと先頭交代すればいいものを、集団を連れてしばらく追いかけた。全然追いつかない僕にしびれを切らしてアジアチャンピオンが飛んでいき、盛大にバックファイアした。なんとか整えて、諦めずに踏み直すと登り返しでギリギリ追いつくことが出来て生き延びた。
8周目、水がなくなったことに気づいて補給を貰わなくてはならなくなった。自分は補給をとって集団についていけるほどの余裕はない為、どんなレースでも殆ど補給を取らず、補給ポイントで位置を落とさないように走っていた。途中畑に水を貰うこともあった。畑ありがとう。しかし今回、補給を最後尾でとってからかなり集団から遅れた。平坦で集大成してやっと追いついたが、平坦で位置を上げる唯一の生存策が取れなくなった。
いつの間にか人の減った集団は、もうごちゃっと詰まってペースダウンすることもなく、自分のパワーでついていくことが出来なくなっていた。

ただの準備不足だが、最長130㎞しか走っていない夏の練習では自分のリミットはこれくらいだった。距離を伸ばせばいいかと言われるとそういうわけでもなく、自分はそれ以上の距離を練習として走ることが実力的に出来なかった。非常に情けないことだ。

自分が降ろされてしまう最後の一周は完全に集団から遅れて、1人で走っていた。
先頭とのタイム差を考えて、完全に遅れた瞬間から、自分でもこの周で降ろされてしまうんだろうと勘付いてはいた。

一緒に遅れた選手達はもう完全に諦めてサイクリングペースで走る人もいたけど、僕はどうしてもスタートフィニッシュ地点に辿り着きたかったので、出せる全力で走っていた。

そうした中で、色んな学校の人や全然知らない人達が頑張れと応援してくれた。その人達も、僕が降ろされてしまうのはわかっているんだけど。

そうして、僕の最後の一周も終盤、激坂に差し掛かった。
その瞬間、色々なところから自分の名前を呼んで応援してくれる人の声が聞こえた。
今までは集団で走っていたので、選手達の声、補給の声、色々な選手を応援する声に紛れてなんとなく聞こえていた声達でしかなかった。
しかし、今その坂を走っているのは自分だけで、自分をずっと応援してくれてきた声がとてもはっきりと感じられた。
今まで自分はこの人達にずっと応援をうけて走らせて頂くことが出来た。そして今、その人達も僕が降ろされてしまうのは知っている。だけど、自分を最後まで応援してくれている。
自分はとても幸せな人間である事を感じ、同時に結果で恩返しできなかった情けなさが自分の身体をビリビリと貫いた。
あの時その人達に応えることが出来る手段は、その一周のゴールまで全力で走ることだけだった。
その間も学校問わず色んな人が応援してくれた。とてもありがたいことだった。
色んな人に感謝しなくてはいけません。
関わってくださった全ての皆さん本当にありがとうございました。

宇佐美監督、OBの方々、大会の運営に関わってくださった方々、マネージャー陣、全ての仲間達、家族、最高の同期達ありがとうございました。

そんなレースでした。
まだ、早慶戦、神宮などのレースが残っているので全くもって終わりではありません。すごく楽しみです。皆さん頑張りましょう。

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