2023インカレ TSP

インカレトラック

TSP 48.913 10位


高校3年生のインターハイぶりのチームスプリント。

まずは出場の経緯から。

大学に入ってからは短距離班なるものが存在していたことや、そもそもスタンの速さに自信がなかったことからチースプ出場に意欲的ではなかった。

しかしハロンや1kmTTのタイム的には自分が出てもいけるのではとすこし感じていた。それでもやらなかったのはトラックのチーム種目は団抜きを頑張りたいし、あくまで最優先はロード練という気持ちがあったから。

そもそも短中長を自分が理想とするレベルで両立している選手は身近に見たことがないし、今年は以前と比べると自転車に使える時間は物理的にも精神的にも少なくなっているので、自分には難しいなと感じた。


(ここは話がずれるが自分の考えとしては、短距離をやるにしてもロード練で得られるベースが必要だと思うので、短距離だからって短時間の練習だけをやればいいというわけではないと考えている、、、おそらくスタンのような極端に短時間の運動ならどうにかなると思うのだが、短距離種目でも一定の時間を超えると有酸素能力が必要とされると思うのでそのあたりの能力も必要なはず。他にも色々理由があると思う。学連の短距離選手も、ロードレースはわからないけどやる気出せばクリテくらいなら走れる(最低限クラス3では勝てるくらい)選手が多いと思う。)


自分がチースプに出るとしたら、おそらく2走か3走。今までのインカレは毎度333バンクで、そこでチースプに向けた練習をするとなるとかなりダメージが大きく団抜きの練習に脚が残らないと考えていた。実際にやっていないからどうなのかわからないが、、、

しかし今回のインカレは千葉の250mバンク。何度か走ってみた感じ、ストレートですらなかなかの傾斜がついているので外バンクよりもスタンの遅さをカバーできること、コーナーではほぼ踏まないので外バンクよりも出し切る必要がなくなること(これは個人の感想なので参考程度に受け取っていただきたい)がわかったので、チースプやってもいいな、と思い始めた。

また、3周のタイムも50秒はかからないので自分の得意な領域だったと思う。自分のパワープロフィールを見ると、おそらく30〜60秒の数値(w/kg)が他の領域と比べて特に強い。これはロードだし登りのもがきで出したパワーなのだが、これを参考にしてあながち間違いではなかったなと引退してから思う。実際、自分の3走タイムは中位入賞校と比較しても同じくらいではあった。

そして出場理由として一番大きいのはシンプルに枠が空いたから、というだけのこと。もともとは川野が出場予定だったが、彼がオムニアムに出ることを考えると時程的にチースプとの両立は無理があるので補欠枠の自分が正選手として走ることになる。一緒にロード練をしていて川野の調子が上がってきているのはわかっていたので交代する心づもりではいた。


余談だが、このようにお互いに調子の良い悪いをなんとなくでもいいので把握できているというのはかなり大事だと思っていて、僕たちはそれがそこそこの水準でできていたのではないかと思う。少なくとも団抜きのメンバーの四人の調子はお互いに把握していて、その雰囲気を感じ取って今回のバンク練は誰が調子悪いから団抜きはこういうメニューにして個人練習多めに取ろうとか、その場その場で無理なく効率的に練習できたと思う。もちろん時には無理することも必要だとは思うけど、常に無理するのはきつい。

本当に調子が悪い時に調子が悪いですと進んで言う人はなかなかいないけど、一緒に練習するのはもちろんのこと、個人練習をしていてもブログを見ていればなんとなく分かったりする。そういう意味で、練習やミーティングで話すことが大切なのは言うまでもないが、ブログも大切なコミュニケーションツールなんじゃないかな、と思う。


そんなこんなで7月頃からチースプに向けた練習を始めた。初めての練習?は7月の伊豆記録会のTSP。ぶっつけ本番で怖かったがなんとかなったので今後に向けて自信になった。

その後の美鈴湖ではハンドルを変えて練習してみたけどいいポジションがすぐには出ず、ここに時間をかけすぎるわけにはいかないので従来の中長用ポジションで進めていくことに。やはり外バンクだとスタンにつくのが大変。

その後はチップスターでのスタート練習をメインとして練習に取り組んでいった。ほぼ合わせをやらなかった理由としては団抜きの練習に影響が出てしまうからというだけ。3走の自分は2走のスピードを殺さずに最後までもがくだけなので、交代の感覚などをそこまですり合わせる必要を感じていなかった。もちろん時間があるならたくさん合わせた方がいいと思うが優先事項を絞って練習せざるをえないので、そうした。

自分の記憶が正しければ、実際に合わせて3周走ったのはインカレ含めて4回しかなかった。だから完成度は全く高くなかったと思う。それでも現実的な目標として入賞以上にチャレンジできたのは個々の走力が最低限あったからかもしれない。

しかし「チーム」スプリントなのでチームワークも当たり前に必要で、そこを煮詰めることで個々の走力以上のものが出せるようになるのだと思う。といっても、チームワークによって改善できるタイムの幅はかなり小さく、成長が停滞するレベル感の選手ばかりでなければ、基本的には個々の力を上げていくアプローチのほうが効率よくタイムを削れると思う。それは団抜きも同じだと感じる。


以下、練習でできていなくてやっておけばよかったなと感じたこと。

  • 1走のペーシングを把握する。

例えば1走の目標タイムが19秒フラットだとする。同じ19秒を出すとしても、最初がものすごく速いが後半スピードの乗りが悪いパターンもあれば、最初が遅くても後半の伸びが良くてそのタイムになるパターンもある。ラインを踏むタイミングは同じでもドラフティングの取り方が変わったりすると思うので、1走のペーシングは2走の加速に少なからず影響する。

  • 2走はどの時点でどのくらいの車間を取っていればスムーズに加速しながら交代できるかという感覚を掴む。

やはり250バンクのチースプは2走のトップスピードが必要不可欠。そのトップスピードを出すためには、前と大きく離れない、かつ前に詰まらずに走らないといけない。

  • 3走は2走のペースが上がるタイミングを掴む。

基本的には交代にかけて徐々に踏んでいくと思うが、2走がどのタイミングでどのくらい踏んでくるか、を把握できていたほうが力を使わずについていける。

パッと思いつくのはこれくらい。正直ほぼ素人な人間なので的はずれな部分もあるかもしれないが、これらを意識できていればタイムが縮む&安定したのではないかと思っている。


ここからは当日について。

インカレ二日目

ゼッケンを貼ってもらって、アップはいつもどおり。前までは固定ローラーばかりでアップしていたけど、負荷をかけて体を起こしてからは三本ローラーでもアップをするようになった。三本はめちゃくちゃ回せるので、レースでブンブン回しているイメージを持ちながら出走できる。科学的に意味があるのかはわからないけど、気持ち的にプラスになるので最近はこのスタイル。この日は西田がポイント集計で忙しいので手の開いている人にサポートしてもらった。どうもありがとう。

チースプの出走はそこまで朝早くはなかったのでオムニやケイリンの予選を観つつ準備。最大の懸念は山田が敗者復活戦に回ってめちゃくちゃ萎えていたことで、一時はどうなることかと思ったが切り替えてしっかり走ってくれたので良かった。

スタートにはいつも通り並び、ペダルストラップを締め直す。締め直していたら残り10秒を切っていて焦りかけたが平常心でスタート。

一歩目から軽かった。それは山田も同じだったようで、バックストレートで追いつきそうになる。しかし想定よりも早く追いつきそうになってしまったときの対処は前日に山田と話していたので想定内だった。山田が車間を切りつつ、徐々に加速。しかしもっと車間を切って加速したほうがスピードが出ていたかもしれない。そこに関してはチームとしての経験不足が露呈したと感じる。

3走の自分はいつも通り、ライン取りに気をつけながら最後まで全力で回すだけ。入賞はいけるかなと思ったが、走り終えてタイムを見ると、想像以上に遅かった。

3走の自分ですら走り終えるのは一瞬で、これは自分がすごく集中できていたからなのかもしれないけど、キツい、と感じる前に終わってしまった。

正直なところ、チームスプリントには最低限の時間しか使っていない。だから、インカレでチースプを走り終えたときには「もっとタイムが出せるはずなので、もう一度走りたい」と思ってしまった。でも、こうなることを選んだのは自分でありそれを許したチームでもあるので、言い訳はない。

結局のところ、中長距離の選手が短距離種目に出たり、短距離の選手が中長距離種目に出たりすることはどうしても起こるので、補欠含めて完成度を高めておくことはもちろんのこと、短中どちらもある程度走れるような選手を用意することや、オフトレーニングの一環として専門外の種目の練習を行ってみるなど、前々からの準備が必要だと感じた。

二日目も応援、サポート、差し入れなどありがとうございました。

そして一緒に走ってくれた智也、山田、ありがとう。


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